レビュー

コンチネンタル GP5000 – レビュー

コンチネンタル GP5000 – レビュー

14年の時を経てついに登場です。コンチネンタルは驚異的な人気を誇ったGP4000s IIの後継モデル、 GP5000 を発表しました。多くの人が史上最高のオールラウンドロードタイヤと認識していたGP4000を改良することは、不可能なことだと思っていたかもしれません。しかし、 コンチネンタル は先代よりも軽く、速く、パンク防止性能とグリップ力が向上している GP5000 を開発し、今回レビューを書かせていただきます。

GP5000の魅力とは 

  1. GP4000よりも速くなった
  2. 新しくなった32mm幅のタイヤ
  3. レース用タイヤとしては驚異的なレベルのパンク防止性能を発揮
  4. チューブレス仕様

コンチネンタル GP5000 レビュー – 転がり抵抗

コンチネンタルでは、転がり抵抗を低減することを第一の目標として研究開発を進めてきました。最新のブラック・チリ・コンパウンドを使用して設計された新しいGP5000は、従来のタイヤに比べて12%の転がり抵抗の低減を実現しました。 Aerocoachの記事によると、この改良は時速45キロで4ワットの差に相当するそうです。速さを追求するレーサーにとって、4ワットの差はロードレースやタイムトライアルにおいて優勝するか、10位以内に入るかの違いとなるかもしれません。だからこそ、この小さな違いを変える事が重要なポイントとなるでしょう。

GP5000の重量は25cで220gと特に「オールラウンド」なクリンチャータイヤとしては十分な軽さです。重量を気にするサイクリストにとって文句がつけられない重量です。

 

コンチネンタル GP5000 レビュー – グリップ力

レビュー記事では度々、「GP5000」のグリップ力の低さが指摘されていましたが、実際にはそのような事はありませんでした。滑りやすい路面でも、グリップ力に問題はありませんでした。実際、GP5000のグリップ力を信頼していたので、25C幅のGP5000を使って冬場のイギリス北西部を197km走る「Empty the tank」に参加しましたが、安定したパフォーマンスを発揮しました。

コンチネンタルは、このグリップ力の向上をレイザー・グリップ・テクノロジーで改善しています。(トレッドパターンをエッジングではなく、タイヤのショルダー部分に直接プリントしている)ラバーコンパウンドの質も改善しています。いずれにしてもこのGP5000はコンディションが悪い時でもコーナーを鋭く曲がり、下り坂を快適に走れるという自信を与えてくれます。

 

コンチネンタル GP5000 レビュー – 快適性

GP4000では快適性を重視していませんでしたが、GP5000では顕著な進歩を遂げました。

新開発の330TPIカーカス(タイヤカーカスのTPIが高いほど、タイヤは薄く、軽く、しなやかになる)を採用したタイヤは非常にしなやかで、路面への追従性が高く、路面をスムーズにし、長距離走行時の快適性を飛躍的に向上させています。

コンチネンタルはGP5000の構造を再設計して快適性を向上させただけでなく、タイヤのサイズバリエーションも増やしました。32mmのサイズであれば軽量でありながらもグラベルライドにも使用可能です。

 

コンチネンタル GP5000 レビュー – 耐久性

多くのレース用のタイヤの問題点は、薄くてしなやかでであるがゆえの耐久性であります。実際、GP4000のサイドウォールにも耐久性の問題がありました。しかし、このタイヤにはベクトランという耐パンク層が施されているため、切り傷、パンク、擦り傷に非常に強く作られています。テスト期間中、かなり過酷な道を道を約7500マイル走っても、一度もパンクすることがありませんでした。ベクトラン層は標準的なナイロンブレーカーよりも軽量で柔軟性があるため、タイヤのしなやかさ重量にはほとんど影響がありません。実際、GP5000は25c幅のGP4000に比べて10グラムも軽量化されています。

確かにヴィットリア Rubinoコンチネンタル GP 4 Seasonsのような専用の冬用タイヤほどのプロテクション効果はありませんが、一般的なレース用ロードタイヤよりは確実に防御効果があります。悪路での走行を快適にする冬用タイヤをお探しの方は、冬用タイヤ購入ガイドを御覧ください。

 

コンチネンタル GP5000 レビュー チューブレスレディ

コンチネンタルはある意味2つの新しいタイヤをリリースしました。GP5000には快適性、グリップ、パンク対策をさらに高めたい人の為、チューブレス仕様も開発しました。転がり抵抗を5%低減したというコンチネンタルの発表にも関わらず、チューブレス仕様はクリンチャーに比べてしなやかさ、反応性が劣ることが分かりました。Aerocoachの調査ではラテックス製インナーチューブを装着した標準的なGP5000、25mmタイヤの方が、チューブレスのGP5000 25mmタイヤよりもわずかに速いという結果が出ています。

 

個人的な意見として、チューブレスタイヤはスピードの為に買うのではなく、パンク防止の為だと思っています。もし1メガワットの差が路上でのパンク修理の時間を減らすのであれば私はチューブレスを選びます。

一方でコンチネンタルが主張する5%のグリップ向上は非常に顕著に現れています。しかしこれに関してはチューブレス自体がより低い圧力で快適性、グリップを向上させる事ができる為ではないかと個人的には思っています。このようにGP5000 TLは非常に優れたチューブレスタイヤであり、レースに適したタイヤを1年間通して使用したい場合には、良い選択肢となります。ただし、他のチューブレスと同様、GP5000 TLはほとんどのリムにぴったりとフィットしない為、装着時には体力と時間、タイヤレバーが必要となります。

コンチネンタル GP5000 レビュー – 評価

前モデルの完璧に近いオールラウンドな性能をさらに向上させる事は、かなり難しい事であったと思います。しかし、GP5000はさらに進化したタイヤとなっています。

コンチネンタルは前モデルよりも明らかにスピード、パンク耐性、グリップ力を向上させ、さらにチューブレス仕様になった事でプレミアムなロードタイヤにさらなる改良が加わりました。GP5000はGP4000の後継モデルとしての価値が高く、ハードなレースや高速走行に最適なタイヤであることは間違いありません。

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Kento Yokoyama

Kento Yokoyama

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